コラム Vol.1

硬式野球部の夢と挑戦

創部3年で甲子園へ

北海道深川市で活動するクラーク硬式野球部。
寮生活を通し、選手として、人間として大きく育つ姿に追った。



もう一度、高校野球がしたい―。

クラーク硬式野球部2年のピダーソン和紀投手は、静かに闘志を燃やしていた。

熊本県の強豪校に入学し、野球漬けの日々を送っていたが、練習が体に合わずひじを壊した。精神的にも追い詰められ、野球をあきらめかけていた1年の夏、テレビで、甲子園出場を果たしたクラークの活躍を目にする。

気になって調べてみると、最初に入学した高校で挫折して転入してきた部員もいるという。「ここなら、自分も野球が続けられるかもしれない」。すぐに学校に電話をした。

親を説得し、1年の冬に転入。順調にひじが回復し、ピッチャーとして実力を上げてきた。高野連の規定で転校後1年間は公式戦に出場できないため、公式戦デビューは3年の春になる。

「それまでに体をつくって、拾ってもらった恩返しにチームを甲子園に連れていきます」
183センチの上背から投げ下ろす剛球が魅力の右腕。佐々木啓司監督は期待を寄せる。「抜群の体格だね。もしかしたらクラーク野球部出身で初のプロ野球選手になるかもしれない」



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